第77回広島医学会総会で当院の医師が広島医学会賞を受賞
第77回広島医学会総会 広島医学会賞を受賞
島尻寛人第一循環器科副部長が第77回広島医学会総会において広島医学会賞を受賞しました。
広島医学という学術誌に投稿した論文「山間僻地のPCI施行不可能な病院での心筋梗塞患者におけるDoor-In to Door-Out Timeの意義」が表彰を受けたものです。
ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者の救命率向上を目指して
本研究は、山間部地域におけるST上昇型心筋梗塞(STEMI)※2患者の救命率向上を目指し、発症から治療までの時間短縮に焦点を当てたものです。特に、カテーテル治療を行っていない施設に来院された心筋梗塞患者での施設滞在時間を30分以内に短縮する重要性を示しました。
対象は、2011年4月から2022年6月まで安芸太田病院(カテーテル治療非施行施設)から広島市内のカテーテル治療施行施設(主には安佐市民病院)へ緊急搬送されたSTEMI患者で、安芸太田病院での滞在時間や、その後の転帰などを分析しました。
安芸太田病院での滞在時間を30分以内に達成できた患者は全体の26%でしたが、この群では病院到着〜冠動脈血流の再灌流※3までの時間が短く、心筋ダメージの指標であるピークCK値※4が低い傾向があり、カテーテル治療非施行施設での短い滞在時間が、患者予後の改善に寄与する可能性が示唆されました。
賞状を手にする島尻医師
さらに、安芸太田病院と広島市立北部医療センター安佐市民病院との日常的な医療連携が安芸太田病院での短い施設滞在時間に寄与している可能性が考えられました。24時間体制の救急受け入れや循環器内科医への直通ホットラインがその一助となっており、今後さらなる連携プロセスの改善が求められます。
地域医療の更なる発展に貢献したい
最後に、このような栄誉ある賞を受賞できたことを謙虚に受け止め、これを励みに地域医療の更なる発展に貢献できるよう努力を重ねてまいります。
本研究に多大な支援をいただいた指導医の先生や受賞に際して推薦いただいた関係者の皆様に感謝申し上げます。
今後も地域の患者さまの健康増進と医療連携の強化に努めてまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
第一循環器科 副部長 島尻 寛人