マンモグラフィー 放射線科

乳がん検診 マンモグラフィー

マンモグラフィーは、乳がんのためのX線撮影です。
手で触れることの出来ないような小さな乳がん、やわらかく、しこりを形成しない乳がんを、出来るだけ早い段階で発見するために必要な検査です。
乳がんは、乳房内の乳腺(母乳をつくるところ)に発生します。
初期のうちは痛み等、自覚症状はほとんどありません。
乳がんの発生率は30歳以降から増え始め、45歳以上から増加は著明になります。
そのため30代後半からは視・触診と併用してマンモグラフィーを行うことをお薦めします。

撮影方法

服を透り抜けられないような特殊なX線を使用しますので、着衣は専用のガウンに着替えていただきます。
乳房は、立体構造をしているため、そのままX線写真を撮影すると厚い場所と薄い場所の差が出すぎてしまいます。そのため2枚の板で乳房を挟み圧迫することで均等な厚みにし、撮影します。

 

 

正常組織と異常組織を見分けるため、鮮明な像を必要としますので、なるべく乳房厚が薄くなるよう圧迫を行います。また、乳房厚が薄くなることで、使用する放射線の量も減らせます。
圧迫が強いため痛みを感じることがありますが、数秒間ですのでご協力下さい。
撮影全体の時間は約10分間です。これは、説明や体位を決める為で、強く圧迫するのは数秒です。

当院では、資格を有する専門の技師が撮影します。
また、技師が撮影した写真について、簡単な説明(診察ではありません)を行っています。
解らないこと、聞きたいことがあれば、気軽にお聞き下さい。
診察は、撮影後、外科で医師が行います。

撮影時期

乳房を圧迫いたしますので、痛みの少ない月経開始7~10日後(乳房の張りが少ない時期)が最適です。乳房の張りが強く痛みのある場合は、撮影日を変えるか、超音波検査に変更してください。
一般的に「40歳を過ぎた方は2年に1度はマンモグラフィーを受けましょう」といわれますが、毎年受けられても被曝などの問題はありません。年に1度のマンモグラフィーをお薦めします。

マンモグラフィー撮影例

写真は実際のマンモグラフィーです。斜めから乳房を圧迫し撮影したものです。
写真上、白く写っている部分が乳腺組織、黒っぽく写っている部分が脂肪組織です。
通常、30代以下の方の乳房は乳腺組織が多く、あまり脂肪を有しません。
そのため、写真は全体的に 白い写真となります。
40代になると、乳腺組織は脂肪組織に置き換わり始めます。
そのため、白と黒が混在する写真となります。
高齢になるほど、脂肪組織の方が乳腺組織より多くなります。
このように、乳房内は正常で変化をします。

乳がんやそれを疑う組織は、腫瘤や石灰化などがありますが、そのほとんどが写真上白く写ります。
そのため、30代以下の方に健診目的のマンモグラフィーは適しません。
全体的に白い写真の中から、白いものを見つけるのは、難しいためです。
調べたい場合には、超音波検査の方が適しています。
これも『40歳になったらマンモグラフィーを』の理由のひとつです。

乳がんも細胞で出来ていますので細胞分裂で大きくなります。そのためどのようなタイプの乳がんであれ1cmの大きさになるのに約10年の時間が必要となります。
指先で1cm以下のしこりを乳房内から見つけることは素人には難しいことです。
マンモグラフィーでは1mmに満たない石灰化も写しだすことができます。
早期発見をする為にはマンモグラフィーや超音波といった検査が適しているといえます。

たとえ写真に何か写っても、良性のものか悪性を疑うかは、その濃度や形状、分布等さまざまなものから想定されますが、マンモグラフィーだけで悪性と断定することはありません。

乳がんになりやすい方

1.ホルモンや性機能に関する因子

  • 初潮が早く、閉経が遅い方
  • 未出産の方
  • 高齢での出産
  • 安定した生理周期

乳がんは女性ホルモンの関与が多いがんです。
上記は女性ホルモンの刺激の多い方です。

2.食事に関する因子

  • 太っている方 身長の高い方
  • 欧米型の食事
  • アルコール

欧米では8人に1人が乳がんといわれ、日本は23人に1人が乳がんといわれます。
日本人は、野菜を多く摂取していましたが、近年の食の欧米化で体系や体質も変わってきました。

3.家族に乳がんになった人がいる方

家族因子もあるのかも知れませんが、生活環境が影響するようです。

4.ストレスの多い生活をしている方