骨塩定量検査とは
骨中のカルシウムなどのミネラル成分の量を測定するものです。骨粗しょう症の診断や治療の経過観察、または、ホルモンのバランス異常による、あるいは先天性の代謝性骨疾患の診断や治療、病態の解明などに用いられる検査です。
当院ではDEXA法(Dual Energy X-ray Absorptiometry)という、2種類のエネルギーのX線を照射し、骨による吸収の差を利用して、骨塩量(骨密度)を測定しています。測定値の正確さと、再現性が良いという特徴があります。
検査にあたって
特に検査前の制限はありません。
検査に支障をきたす場合、体についている金属をはずして頂くことがありますので、ご協力お願いします。
検査方法は
仰向けに寝て検査する方法と座って検査する方法があります。ただじっとしているだけで良い検査です。測定する部位は、腰椎、大腿骨頚部、前腕骨、かかと、全身など様々な方法があります。
当院では主に仰向けに寝て腰椎の骨量を測定しています。検査時間は約5分程度です。
検査結果の見方
検査を受けられた患者様に検査結果をプリントしてお渡しています。
骨粗しょう症とは
「骨量が減少し、かつ骨組織の微細構造が変化し、そのため骨が脆くなり骨折しやすくなった病態」と定義されています。骨の密度が低く骨がスカスカの状態になると骨の変形が起こりやすくなり、腰痛や骨折の要因になります。また、骨折によっては歩けなくなって寝たきりとなり、それが認知症につながることさえあります。骨量は20~30代をピークに加齢と共に減少します。この骨量減少は生理的なものであり、いったん減少した骨量を回復させることは極めて困難なことです。そのため骨量の減少、あるいは骨折の予防が重要なものとなります。骨粗しょう症は骨折するまで自覚症状がありませんので心配な方は是非、検査を受けてみてください。
骨粗しょう症になりやすい人は
痩せ型・偏食・運動不足・アルコールの多飲・喫煙・日光照射不足の人です。
骨粗しょう症を予防するためには
- カルシウムをしっかり摂りましょう
栄養所要量で定められている成人1人あたり1日600mg以上、できれば800~1000mgのカルシウム摂取を目標にします。閉経を終えた人は1000~1500mgのカルシウムの摂取が必要です。カルシウムの多い食品としては、牛乳、乳製品、魚類、大豆製品、海藻類、緑色野菜などがあります。カルシウムは日本人に唯一不足している栄養素です。 - ビタミンDもしっかり摂りましょう
カルシウムを摂るだけでは丈夫な骨は作れません。腸におけるカルシウムの吸収にはビタミンDが必要です。ビタミンDが不足するとカルシウムを吸収することができなくなります。 - 無謀なダイエットは止めましょう
10~20才代の無謀なダイエットは危険です。骨をどんどん作っているこの時期に、十分なカルシウムが摂れず、若年層での骨粗しょう症になる可能性があります。また、閉経後も無理なダイエットをした人は、しない人に比べて骨粗しょう症になる確率が数段に上がります。 - 禁煙をしましょう
ニコチンはカルシウムを排出し、骨量を減らします。 - アルコールの過剰摂取は止めましょう
アルコールの過剰摂取はカルシウムの吸収を悪くし、ビタミンDの働きを抑制します。 - カフェインの摂りすぎはやめましょう
カフェインも骨量を減少させるといわれています。コーヒーや紅茶の飲みすぎは注意しましょう。 - 適度な運動をしましょう
体に負担がかからない散歩などをしましょう。適度な負荷がかかるだけで骨量が増えるといわれています。
関節痛などの人はプールで歩いたりするのも有効です。 - 日光浴をしましょう
太陽の紫外線により皮膚の中でビタミンDが生産されます。それによりカルシウムの吸収を助けます。晴れた日は屋外に出て、日光浴をしながら運動をしていきましょう。
骨粗しょう症の3大予防法は食事、運動、日光浴です。